東郷青児作品にはそれほど縁の無い私だが、一作品だけ誇れるものがある。
その作品とは、第3回二科展に初出品し、二科賞を受賞した『パラソルさせる女』で、
東郷青児が世に出た、記念碑的な作品を購入し売却したことです。
どのカタログにも掲載されていて承知の作品でした。
近年、不況のあおりか、福岡県大川市のS美術館が手放すとの情報があり、
私にとってかなり高額なものでしたが、作品現物を一度も見ることなく購入を決断しました。
作品を見て驚いたのは、展示中に盗難にあった過去があり、
額縁の内側に沿って四角にカッターで切り取られ、
その後、戻った作品が修復を受け、その部分が経年のため色変わりしていました。
東郷青児を語る上で欠かせない作品だが、現物を見ていたらはたして購入していたか…
数年がたった今では東郷青児展でこの作品を観る私の密かな楽しみとなりました。
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婦人像
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